parole Jouet

見たり聴いたり、嫌だったり素敵だったりな小品文

田中慎弥『切れた鎖』

すすめられていた作家の一人、田中慎弥の『切れた鎖』を購入した。

すすめられてから経った時間はずいぶん長く、それというのも、なんとなく本屋で購入をしたかったのだ。

12月の第2週末は東京へと馳せ参じ、長い滞在ではない中で、ありがたく本屋に行くこともできた。

はじめから頭にあったわけではないが、田舎のそれに比べて大きな本屋ではさすがに喜びもあり、心をひと通りはやし立てたのちに、偶然に(というとすっかり人の好意を忘れていたような表現であるが、まあ、そういうわけではなかったろうと思う)すすめられていた文庫について思い出すことが出来た。

もう一人、笙野頼子の文庫は見つからず、田中慎弥の本についても、どのタイトルをすすめられていたかはまったく記憶になかったため、発行の一番古いものを選んだ。

まだ読み始めて幾らも頁が進んでいるわけではないが、雰囲気は掴みやすい。特徴は色濃く強いと感じられる。嫌いではない。三島由紀夫森鴎外を読んでいるようにときめく文字の羅列ではないが、表現したいものについては私の好みであると思う。

先日は好きな本で書評を始めるべきではと書きもしたが、この本を手始めにしてみるのも良いかもしれない。いやもう先を越されて、田中慎弥の本については書評がすでに書かれていたかもしれない。とにもかくにも、読んでみたなら何か気の利いたような利かないような、小綺麗にまとめられる書評が書ければ、と思う。

 

ちなみに@yorui_yozora氏の始めた書評ブログがこちら

田中慎弥については『共食い』の記事が寄稿済み

サイト:白錆貨車は環状空間