parole Jouet

見たり聴いたり、嫌だったり素敵だったりな小品文

らーれ

君がぼくを好きでなくともぼくは君を好きで君が楽しそうにしているんならそれで良いよという思いをもう二、三度ぶつけられたくなった。いかにも我儘で、誰かを救った時間が同じように私には振る舞わないのを知るばかりと予感があって、前を見れば眩しく(それを私は好きだけれど)、後ろを見れば誰もこちらを向いておらず(私は悲しいように構い付ける)、捨てるときに感じられる逸楽は賭け事に悲喜こもごもする人と変わらない。当意即妙に洒脱を感じたその情調が失せるのに気付かないふりをしていかなければ、いけない、いけない、このままでは倒れてしまうのだから。